就業規則作成ガイド はじめに

事前準備:だれが作るべきか

 就業規則を作成、あるいは古い規則を変更しようとするときにはどのような手順で進めればよいでしょうか。社会保険労務士やコンサルタントに丸投げしてほったらかしにしてしまうというのももちろんひとつの方法論ではありますが、前ページでも記載したとおり就業規則に経営者の「思い」や「経営理念」「経営方針」、また仕事に対する取り組み方など従業員に「周知しておきたい」項目を盛り込んだ、「経営に役立つ」就業規則を作成したいのであれば、当然経営者自身が当事者意識を持って作成に関わるべきでしょう。
一方、従業員の権利や義務といった部分については、労働基準法をはじめとした法律が関わってくることや、就業規則が会社と従業員の間の契約書であることを踏まえ、「就業規則作成プロジェクト」のような形で従業員の参加を求めたり、外部のコンサルタントからアドバイスを得ることも検討する必要があるでしょう。
まったくの新会社でない限りは、すでに在籍する従業員に対して示している就業規則や労働条件があり「契約内容」になっているわけですから、これを会社側の都合のみで一方的に変更しようとするよりは、ある程度従業員に参加をしてもらう方が「従業員から規定がどのように見えているか」「従業員に理解しやすい内容になっているか」といった点で納得性の高いものができやすく、また実務上もスムーズに進むことが多いようです。(なお本稿の筆者(私)は社会保険労務士ですので、「全部お任せください。社長にお手間は取らせません!」と言いたいところですが、法律的に問題ないものはすぐにできても、「経営ツール」として本当に「経営に役立つ」ものを作成するには、やはり経営者自身が関心を持って積極的に関わるほうが良いと考えています。)
 いずれにせよ、最終的な責任は経営者の方にあることを肝に銘じて勧める必要があるでしょう。

事前準備:どんな情報が必要か

就業規則の作成をスムーズに進めるための準備段階として、事前の情報収集は不可欠です。
 関連する多くの情報を収集・整理する必要がありますが、よい就業規則を作成するためには、経営者自身の問題意識の明確化がもっとも重要といってもよいでしょう。
 就業規則を作成するにはそれなりの労力とコストがかかります。かけるコストにきちんと見合う就業規則を作成するためには、まず経営者自身が「なぜ、就業規則を作成するのか」「新しい就業規則にどのような効果(会社のリスクヘッジがもっとも重要なのか、それとも会社内のカルチャーの醸成やモチベーションの向上が第一の目的なのか、など)を期待しているのか」といった根本的な作成の目的を明確にしておく必要があります。この目的を基に「実現するためにどのような内容を盛り込むべきか」、といった個別の内容に落とし込んでいくことになるわけです。最終的に個別の文章を作成していく段階でも「こう書くのと、こういう風に書くのではどちらが目的にかなうか」といった具合に判断基準になるものですので、できる限り文書化するなどして明確にしておきたいものです。

事前に収集しておきたい情報の例

 また、就業規則は法律文書、契約書であり、労働基準法をはじめとした法律とも矛盾のないように作る必要があります。そのため、法律に関する情報、例えば労働基準法や高年齢者の雇用の安定等に関する法律といった関連する各種法律についての最新情報を集めておく必要があります。こういった点については、社会保険労務士や外部の専門家も多いに活用するとよいでしょう。
 この他、当然のことながら現在の「実際の労働条件」と就業規則の文章に整合性がきちんととれているか、取れていない部分はどこかといった情報や、現在抱えている解決すべき労務管理上の問題点、もし過去に労使間のトラブルなどがあればそれらの情報も必要になります。

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